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北朝鮮、最悪の食糧不足「100万トン以上の食糧が不足、餓死者が発生する可能性大」

韓国政府が北朝鮮への食糧支援計画を策定した。

統一部(朝鮮半島の南北統一及び韓国と北朝鮮との政治関係を扱う大韓民国の国家行政機関)のイ・サンミンスポークスマンは8日、記者会見で、北朝鮮の食糧事情が非常に深刻である国際機関の発表に言及して明らかにした。

「韓国政府は、国際社会と緊密に協力しながら、北朝鮮住民に対する人道的食糧(サポート)を推進していきます。」

このスポークスマンは、2年前に国際機関供与を通じた米800万ドル相当の人道的支援が検討されたように様々な状況を考慮して支援規模と時期、方法などを協議すると付け加えた。

世界食糧計画(WFP)と国連食糧農業機関(FAO)が先月共同で実施した対北朝鮮食糧の作況調査によると、2018〜2019年の北朝鮮穀物生産量は417万トンである。 これは前年度470トンより50万t以上減少した。

北朝鮮を知るためには避けて通れない統計

北朝鮮の食糧事情は以前より良くなっているだどろうか。

韓国農村経済研究院のキム・ヨンフン選任研究委員は、今年の北朝鮮の食糧不足がさらに深刻化されたと指摘した。

「それにしても食糧が不足している状態で、外部に大きく依存するべきなのに収入や外部支援がとても不足している。 そんな状態で、国内生産が減ったら食料需給事情は悪化したと考えるべきでしょう。」

「アジアプレス」の石丸次郎北朝鮮取材チーム長は、「北朝鮮の食糧不足が非常に深刻で、このままでは、一部の地域では餓死者が出てくるに違いない」と伝えた。

北朝鮮でジャガイモだけ食べるということは、飢饉になる前の段階を意味するが、両江道(現在・北朝鮮に属する地名)の農場では、すでに農民の70%がジャガイモで延命しているという説明だ。

専門家たちは、北朝鮮の食糧不足の原因には、次の3つのことを挙げた。

・人口に比べて絶対的に農地の規模が不足している。

・1990年代半ば以降、今に至るまでの経済の低迷に食糧生産に必要な化学肥料など資材が十分に供給されていない。

・まだ集団営農をしており、生産性が低いしかない

という分析だ。

キム・ヨンフン選任研究委員はこれに対して「非常に構造的な問題」と説明した。

「集団営農の特徴がモチベーションを下げ生産性を低くしている。 そういったものが複合的に食糧生産を下げる要因になっている。 そこにもう一つ加わった要素は、自然の気候です。2018年度に干ばつ、猛暑がひどかったので、おそらく生産性がより落ちたのだと思います。」

実際、昨年激しい猛暑で、北朝鮮のトウモロコシと稲の作況に大きな打撃を受けたと専門家は強調した。

トウモロコシと稲、大豆の3つは北朝鮮で最も重要な食料穀物である。

GS&J・インスティテュートクォン・テジン北朝鮮 - 北東アジア研究所長は、北朝鮮が現在100万トンほどの食糧不足に苦しんでいると、これはキム・ジョンウン政権入り、最悪の状況だと指摘した。

昨年、中国から食糧や肥料を大量に輸入するなど、かなりの努力をしたが、 これ以上は手を回せないほどだと説明する。

「今年はさらに困難になったので対策が漠然としている。昨年の貿易赤字があまりにも多くて、お金を調達する方法がない。 北朝鮮はまさに四面楚歌の状態、つまり今の国際社会にアピールしても、 今年は食糧不足量が多すぎます。 どんなに密輸を介して補充したところで、今では我慢を通り越した水準です。 」

去る3日、国連食糧農業機関(FAO)と世界食糧計画(WFP)は今年、 北朝鮮の食糧事情が最近10年間最悪であり、緊急に食糧不足を解決するためには、100万トン以上の外部支援が必要だと述べた。

一方、米国のスティーブン・ビーガン対北朝鮮特別代表が8日午後、韓国を訪問する中で、韓米両国は、北朝鮮の核問題、米朝対話再開の議論などと一緒に人道的支援を協議するとみられる。

先に米国のドナルド・トランプ大統領は7日夜、韓国ムン・ジェイン大統領との電話通話で韓国の対北朝鮮人道的食糧支援が非常にタイムリーで積極的措置になると述べた。